渋谷のスクランブル交差点をぼんやり眺める。
各方向からつづく三本の道を、わたしたちは泣いたり笑ったり、それぞれに歩き、
初めから決まっていたように、落ち合って。
道と道と道が合流するそこには、大きくて優しい、湖が揺れる。
そんな感覚を信じてみたくなる夜だった。―――
Chimaちゃん古賀小由実ちゃんとの企画LIVE「our screen」。
6月17日、下北沢 SEED SHIPにて開催されたvol.2、
大成功に終わりました。
ご来場くださった皆さま、心に留めていただいた皆さま、本当にありがとうございました。
お二人の音楽から誕生した絵と光をスクリーンに投影し、空間演出させていただきました。
この三人での表現は、
vol.1 東京編・大阪編に続き、今回で三度目。
まだまだはじまったばかりだけれど、
互いの呼吸を抱きしめるようにして、言葉も要らない瞬間があった。
厚い雲間から太陽が出る瞬間や、最初の春の風が到着した瞬間、そういったナチュラルできらきらしたタイミングに似ている。
今回、新しいご縁があり、
ナレーターの宮澤りえさんがゲスト参加。
三つのお話をセレクトし、朗読してくださいました。
どれも本当に素敵で。
私は、りえさんとこの日はじめてお会いしたのだけれど、
彼女の声を聞いていると不思議と、生まれ育った町のいとおしい風景たちが、本をめくるようにパラパラと、頭の中で流れていった。
記憶の深いところを優しく訪ねてくれる、あたたかいお声。
Chimaちゃんと小由実ちゃんのコラボレーションタイムにも、
相変わらず聞き惚れる。
出逢うべくして出逢ったふたりなのだ、と思う。
ふたつの歌声が重なるとそこには、いくつものエネルギーが集合して、発光体になる。
空白のひとつひとつまで作品のよう。
東京は、こどもの頃に数年間住んでいたことがあって、
北海道と明らかに違うそのタイム感に、
いつの間にか苦手と捉えるようになっていたのだけれど。
こうして小さな旅をつづけていると、ひとつまたひとつと、「好き」で更新される。
それはやっぱり、会いたい人がふえていくから。
なんでもない話をして、いっしょにご飯を食べて、ささやかなようで大きな大きな時間だったりして。
再会の時には、数段深まった私でいようと、強く歩いていける。
「またね」の言葉は素晴らしい。
じつは今回、
宮澤りえさんが朗読してくださったお話の中のひとつに、
私が書いたものも含まれていました。
今年の春、新宿での絵の展示をりえさんが観に行ってくださり、
作品とともに飾っていた言葉たちを、読みたいです!と伝えていただいたのでした。
なんて贅沢なことなのでしょう、感謝でいっぱい。
最後に、その絵と言葉を。
「つみきになれなかった恋へ」
絵・文: ヤマダサヲリ
春になると、思い出したいこと・ひと・におい。
冬のいちばん後ろの夜が明けて、それはゆっくり、こちらへやさしく漂ってきた。
恋に落ちた日の頬、素敵だったシャツの色、魔法にかかった夜中の電話、
奇跡みたいな約束、知らないふりをした海、世界でいちばんの子守り歌、
流れ星にあなたの名前を重ねたこと、最後の舟を見送ったこと。
つみきになれなかった恋は、
崩れた塔のかけらを、ひとつずつ大切に集めて、美しい川へ放った。
それはいくつもの花びらをまとい、春になると、わたしの足元を過ぎていく。
100周目の頃も、何一つ朽ちることなく、この胸に輝くだろう。
「our screen vol.2」、
関わっていただいたすべての方々へ。
心から、ありがとうございました。
お二人の音楽から誕生した絵と光をスクリーンに投影し、空間演出させていただきました。
この三人での表現は、
vol.1 東京編・大阪編に続き、今回で三度目。
まだまだはじまったばかりだけれど、
互いの呼吸を抱きしめるようにして、言葉も要らない瞬間があった。
厚い雲間から太陽が出る瞬間や、最初の春の風が到着した瞬間、そういったナチュラルできらきらしたタイミングに似ている。
今回、新しいご縁があり、
ナレーターの宮澤りえさんがゲスト参加。
三つのお話をセレクトし、朗読してくださいました。
どれも本当に素敵で。
私は、りえさんとこの日はじめてお会いしたのだけれど、
彼女の声を聞いていると不思議と、生まれ育った町のいとおしい風景たちが、本をめくるようにパラパラと、頭の中で流れていった。
記憶の深いところを優しく訪ねてくれる、あたたかいお声。
Chimaちゃんと小由実ちゃんのコラボレーションタイムにも、
相変わらず聞き惚れる。
出逢うべくして出逢ったふたりなのだ、と思う。
ふたつの歌声が重なるとそこには、いくつものエネルギーが集合して、発光体になる。
空白のひとつひとつまで作品のよう。
東京は、こどもの頃に数年間住んでいたことがあって、
北海道と明らかに違うそのタイム感に、
いつの間にか苦手と捉えるようになっていたのだけれど。
こうして小さな旅をつづけていると、ひとつまたひとつと、「好き」で更新される。
それはやっぱり、会いたい人がふえていくから。
なんでもない話をして、いっしょにご飯を食べて、ささやかなようで大きな大きな時間だったりして。
再会の時には、数段深まった私でいようと、強く歩いていける。
「またね」の言葉は素晴らしい。
じつは今回、
宮澤りえさんが朗読してくださったお話の中のひとつに、
私が書いたものも含まれていました。
今年の春、新宿での絵の展示をりえさんが観に行ってくださり、
作品とともに飾っていた言葉たちを、読みたいです!と伝えていただいたのでした。
なんて贅沢なことなのでしょう、感謝でいっぱい。
最後に、その絵と言葉を。
「つみきになれなかった恋へ」
絵・文: ヤマダサヲリ
春になると、思い出したいこと・ひと・におい。
冬のいちばん後ろの夜が明けて、それはゆっくり、こちらへやさしく漂ってきた。
恋に落ちた日の頬、素敵だったシャツの色、魔法にかかった夜中の電話、
奇跡みたいな約束、知らないふりをした海、世界でいちばんの子守り歌、
流れ星にあなたの名前を重ねたこと、最後の舟を見送ったこと。
つみきになれなかった恋は、
崩れた塔のかけらを、ひとつずつ大切に集めて、美しい川へ放った。
それはいくつもの花びらをまとい、春になると、わたしの足元を過ぎていく。
100周目の頃も、何一つ朽ちることなく、この胸に輝くだろう。
「our screen vol.2」、
関わっていただいたすべての方々へ。
心から、ありがとうございました。
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