2011/04/27

映画「まほろ駅前 多田便利軒」





シネコンの雰囲気が好きだ。
キャラメルポップコーンの匂いがフロアに漂っているところや、きらびやかな電飾看板や、週末の混み合った感じも、好き。
いわゆる単館系・ミニシアター系の映画を好む事もあって、普段は小さなシアターへ足を運ぶことが多い為、久々に行くとワクワクする。
最寄の大きな映画館は、それはそれは眩しくて、中央部分の床は光るタイルが連なっている。
数秒ごとに色が変わっていき、その流れを追いかけて走る小さな子を見ていると、「楽しそう、私もやりたい!」なんて思う。(21歳がする事ではないので、もちろん我慢。)

この頃、長い間切れないように維持していた心の糸が、とてもとても細くなってしまったようで、ザブンと沈んでしまっていた。
誰にも会いたくないなんて、そんな悲しいことも考えていたけれど、真夜中、急に友人の顔を見たくなったりもした。
会いたい人に会えば栄養をもらえるような気がして、映画好きな友人を誘って街へ出た。

美味しいご飯と、やわらかい笑顔の友人と、いつもの街。
今日観に来た映画「まほろ駅前 多田便利軒」は、今の私に必要な作品だったように思う。

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映画「まほろ駅前 多田便利軒」

監督:大森立嗣
音楽:岸田繁(くるり)
キャスト:瑛太 松田龍平 大森南朋 柄本佑 高良健吾 松尾スズキ 他


― 東京から神奈川へ突き出るようにある街“まほろ”。都会でもなければ、田舎でもない。天気予報はだいたい外れる。まほろという街は、人もモノも流行も最後に流れ着く。まほろを出た人でさえ、いつかはまほろに舞い戻る。 ―
(公式サイトより)

多田と行天は、普通の町で、普通の暮らしを始めていく。
それって、とても凄いことだと思う。
何かを始めるには越えなければいけない区切りが、二人にとっては透明な空気にしかなく、スッと引き合うように生活をしていく。きっとそれは、どこかで必要としていなければ成り立たない事。
苦い記憶、向かい合えない記憶。それを含めて、互いのこころの隙間にカチッとはまっている関係性に胸を打たれた。

私も”まほろ”に行きたくなった。
大切な人々に、会いたくなる映画でした。

▼映画「まほろ駅前 多田便利軒」公式サイト
http://mahoro.asmik-ace.co.jp/

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