2012年8月12日。ペルセウス座流星群。
「12日夜から13日未明にかけてピークを迎える」というニュースを知り、
そわそわしながら、時計を気にしていた。
今までの人生、たぶんきっと、こういう類の話題には無頓着というか、
例えば"恋人と一緒がいいの"とか、少し頑張って夜更かししてみる とかも無く、あっさりサバサバずばっとスルーしてきたけれど、
今年は特別だった。どうしても見つけたかった。
予定時刻になり、仕事の手を止めて、部屋の電気を消して。
いざ夜空を眺めてみると、次々とやってくる、灰色の雲。
諦めずにジッと、体育座りをして、瞬きさえも惜しんで。
首がじんわり痛くなってきた頃。
スーッ と。
おおきなおおきな流れ星。
とても明るく、尾は太く、たくましい流れ星だ。
3秒間。願い事。祈りにも似た、願い事。心のなかで。大声で。強く強く。
その言葉は生き物のように、「今この瞬間まで、長いこと長いこと、喉元から駆け出すのを待っていたんだ」という勢いで、迷いなく揺るぎなく溢れ出た。
確かにきみの名前がそこには在って、それが本当に嬉しくて、ぼろぼろと涙が流れた。
パァッ と、その場から湧き出るようにして現れた光は、美しくて、
距離や時間や物理的な様々を越えて、
「あの町のあの子も、同じように、見惚れただろうか」と、空に余韻を残していた。
贅沢はいらない。
もう一つ、もう一つ、とは思わない。
あの力強い一つに、すべては乗っかって、確かに輝いたのだ。
星を待っていた。気持ちを待っていた。きみを待っていた。
BGM: Takagi Masakatsu 「Tamame」
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