2011/05/01

好きなひとを描いて 好きなものに触れて 光る日




とても、理想的な一日を過ごした。

ひたすら絵を描いて、ひたすら好きな作品に触れる一日。
普段、デザインのお仕事やイラストを描く際はデジタル手法。PhotoshopやIllustrator、その他、色味調整にいくつかのソフトを使用して進めていく。
けれど、それをしばらく続けていると、実際に紙へ描きたくなるもので、その日は朝起きた瞬間から、そういう気持ちでいっぱいだった。

少し目の粗い画用紙をクローゼットから引っ張り出し、使い古した短い鉛筆一本を手に取る。
そして、好きなひと達を描いていく。
初めは、原田郁子ちゃん。クラムボンの。
空みたいな歌声もキュートな表情も、真剣なスッとした表情も前髪も、ぜんぶ大好きで憧れだ。
それに続いて、親交の厚い友人の顔や、もう疎遠になってしまったけれど今でも印象に残っている遠い人の笑顔を、ゆっくり描いていく。

まぶた、鼻、首筋。
線を進めていくと、そのひとの性格や癖が浮かんでくる。
まだ会った事のない人へは、「どんな素敵な日々を重ねてきたら、こういう瞳を持つことが出来るのだろうな」と暮らしを考えてみたり、好きな食べ物は何だろう?だとか、ちょっとどうでもよいことまで考えてしまう。
けれど、絵はそうやって、たくさんの気持ちを色と一緒に塗っていくものだと思う。
まあ、胸を張れる出来ではないけれど、そんなふうに思う。


指をほぐす合間には、映画や音楽に触れた。
情熱をもって”好きだ!”と誇れるものを沢山持つ人は、すごく素敵だなと思う。
質の良い時間を生きているというか、厚味のある人生だと思うから。
身近にもそんな魅力的な友人が居て、私にも「いいものがあるよ」と教えてくれるのです。
もともと私自身も鑑賞することを好んでいたけれど、その友人のおかげで、知らない世界にいっぱい触れることが出来ています。
映画にも音楽にも色があって、例えば、「トニー滝谷」はアイボリーで、「アクロス・ザ・ユニバース」は燃える赤。
人それぞれに見える色があり、誰でもそれを活かす事が出来る。
私の場合は絵を描くのが好きだから、知らない作品に触れること = 新しい色を持つこと になる。
まだタッチはたどたどしくても、使いたい色が溢れていると、描き続けたいと思うパワーになるのです。
その彼(友人)には感謝しているし、また、私も誰かにとっての彼になって、もっともっと良質な作品をみんなで共有していけたらと思う。

また、こんなふうに一日を楽しんで過ごせたらいいな。
ザブンと沈んでばかりはいられない。


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