2011/07/17

映画「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」


映画「ケンタとジュンとカヨちゃんの国

監督・脚本:大森立嗣
キャスト:松田翔太 高良健吾 安藤サクラ 柄本明 柄本佑 他


― 「ケンタくんは言った。世の中には二種類の人がいる。一つは人生を自分で選べる人。もう一つは選べない人。オレたちは、選べない人。」 ―
(劇中より)

孤児院で兄弟のように育ったケンタ(松田翔太)とジュン(高良健吾)。
過酷な労働環境で働かされている解体現場の仕事、理不尽ないじめ、その中で湧く疑問と苛立ち。
ある日の夜に出会った、愛されない孤独を常にまとう女の子、カヨちゃん(安藤サクラ)。
壁を壊し、本当の居場所・新しい世界を信じて、三人は旅に出る。
目指したのは、兄の居る、北。


彼らが、ただただ真っ直ぐに足を進めていく姿。
彼らが、ギュウギュウと縮む生活の殻に苦しんでいる姿。
彼らが、楽しそうで悲しそうな姿。
きっと、この作品を直視出来ない人や好まない人は少なくないと思います。
けれど、現代社会を生きる三人の魂を、今だからこそ、しっかり見届けなければいけないと感じました。
痛いです。苦しいです。引き止めたいです。でも、彼らが出した結末には、悲しいながらも光があります。
か細い太陽のような、産まれたばかりの赤子のような、この純真無垢を知ってほしいです。

終始、涙が止まらなかった。
そして思ったのは、私にも三人とリンクする気持ちがあるということ。
「この危なっかしいトラックに乗って、一緒に行けたら」と思ったし、
「共通する寂しさを寄せ合っている姿が羨ましい」と思ったし、
「私も目の前の壁を壊してみたい」と思った。
生活の中で接する、仕事・人間・異性・場所・過去・現在・未来。ケンタくんもジュンくんもカヨちゃんも、そして私も、これらに”希望”を見い出せないと諦めてしまっているのかもしれない。
いや、見い出す事を上手に出来ないだけなのだと思う。

私は、この三人の魂を大事にしていこうと決めた。
これは”たかが映画”ではなくて、自分の人生で目にした一つの生き方だ。

皆さんは、この結末をどのように受け止めるのでしょうか。
レコーダーの停止ボタンを押して忘れる人、自然にゆっくりと風化されていく人、体内に取り込むようにして寄り添っていく人。
ぜひ、どのように目に映るか、鑑賞してみて下さい。

0 件のコメント:

コメントを投稿